一級建築士

一級建築士になるための最短ルートとは?

 

「建築士になりたいけど、どこに進学すればいいのかわからない」

こういった悩みのある人は多くいるのではないでしょうか。

今回は令和元年の建築士法改正の内容を踏まえ、一級建築士になるための最短ルートを解説していきます。少しでも建築士を目指す人の参考になればと思います。

建築士ってどんな人なの?

建築士には3種類あります。

木造建築士】【二級建築士

彼らは設計する建築物の種類や大きさに制限があります。例えば、木造建築士は木造2階建の建築物が。二級建築士は木造やRC造3階建ての建築物が建てられます。

木造建築士や二級建築士は工務店やハウスメーカーへ就職していることが多いです。

一級建築士

彼は設計するのに何も制限はありません。

例えば、2020東京オリンピックのために建設中の新国立競技場や古風な東京駅も一級建築士が設計したものです。

 

一級建築士の受験に必要な条件

準学士以上

準学士以上であれば、卒業後すぐに一級建築士が受験できます。

準学士とは学位の一つで短大や高専を卒業すると与えられる称号です。

ただ、準学士として卒業すれば受験できるというものではありません。一級建築士に必要な単位を取らないといけません。例えば、構造力学や建築法規、環境などの単位です。

学生時代に卒業すれば受験できるといって遊びに遊びまくって一級建築士の取得に時間がかかる人がいるのはよく聞きます。

では、大学に行かないと一級建築士にはなれないのか?いいえ、二級建築士であれば一級建築士を受験することができます。

二級建築士免許登録後

大学に行かなければ一級建築士を受験できないということはありません。二級建築士であれば一級建築士を受験することができます。

二級建築士になるためには高校で必要な単位を取得し、実務経験を経ればなれます。高校で必要な単位を取らなくても、社会人になり実務経験を7年積めば二級建築士を受験することができます。

建築士になりたいのであれば早くなれるのには越したことはないので学業をおろそかにせずショートカットしたいですね。

どのルートが最短なのか?

結論を言ってまうと、準学士の短大や高専が最短で一級建築士を受験することができます。では、中学卒業からそれぞれのルートを歩んでいきましょう。

高専ルート

高専は高校と短大を掛け合わせたものと考えればよいと思います。学科ごとに40人くらいを受け入れるためクラス替えなんかはありません。5年間同じ仲間とともに建築を学びます。

授業はかなり密度の高いもので建築好き+理系でなければ厳しいかもしれません。

ただ、卒業できればすぐに一級建築士を受験することができます。

高校ルート

高校ルートではさらに大学ルートと社会人ルートに派生します。

一級建築士を受験するタイミングはうまくいけば一緒です。

大学へ行くと学士号がもらえるため一級建築士を受験するために実務経験は必要ありません。

ですが、社会人ルートへ行くと二級建築士を合格し、4年間の実務を経て二級建築士の免許をもらわないと一級建築士を受験することができません。

それを考えると、高校生の時点で一級建築士を目指すのであれば大学へ行くのが楽かもしれませんね。

社会人ルート

社会人ルートではまず二級建築士の免許が必要となります。よって7年間実務経験を積み、試験を合格した後に一級建築士を受験することができます。

合格のためにするべきこと

建築士法改正で受験資格緩和により学生時代で準備していれば筆記試験は楽に合格ができます。では学生時代に何をすればよいのかを解説していきます。

学生時代、授業をきちんと受けること

どの建築士にも必要単位がないと受験ができないと解説しました。それらは建築士として必要最低限な知識です。この必要最低限な知識がないと実務では役立たずです。

ただ、必要最低限な知識は学生で身に着ければ最良ですが、知っていればよいです。例えば、コンクリートの材料試験はスランプ値、空気量、塩化物量、強度なんかがあったな…というのを朧気にも覚えていて後から調べれば徐々に身についていきます。

学生時代、少しずつ一級建築士の勉強しておくこと

上記では建築士の必要最低限の知識を知ることとしましたが、それだけでは一級建築士は合格できません。では何を勉強すればよいのか。それは一級建築士の過去問題です。

必要最低限な知識だけで過去問題を解いても5問に1正答くらいの正答率になると思います。建築士の必要知識は膨大です。大きく分けても【計画】【環境】【法規】【構造】【施工】と5つあります。この膨大な量を社会人になってから勉強してもかなり時間に厳しくなります。なので学生の時から少しずつ勉強しておくと楽に進めることができます。

勉強のルーティン化をすること

社会人になると勉強する時間との勝負です。実務をしていると当然ですが疲れます。家に帰って勉強しようと思えないことも多々あります。

ですが、「この時間に絶対勉強する」というルーティン化をしていると自然と勉強するようになります。頑張ってルーティン化できる時間を見つけましょう。

教材は資格学校由来のものが一番良い

市販のテキストが数多くある中なぜ資格学校のものなのか。

それは長年のノウハウが凝縮されているからです。この問題はこの図を使って解説すると生徒は理解ができるというのを資格学校は知っています。

私見ですが、法令集は総合資格、テキストは日建学院のものが最良です。

建築士になる。

建築士の最短ルートについて書いてみましたが、実際のルートはあなた次第です。それぞれのルートに特徴があります。

例えば、僕は高専ルートを歩んできました。高専はクラス替えもなく5年間同じ仲間と過ごし、授業はかなり詰まったものです。建築が好きで理系でなければかなりきついのではないでしょうか。実際、文系よりの友達はかなりきつそうにしていましたし、先輩・後輩にはついていけず中退する人もいました。

それぞれのルートの特徴をリサーチしながら自分に合ったものを選ぶとよいと僕は思います。