一級建築士

【一級建築士】避雷設備の仕組みについてわかる!【環境設備】

MoTsu
MoTsu

どうも、頭を使わず読める なろう小説はまぁまぁ好きなMoTsuです。無料だしね。

今回も迷えるおさる君の疑問に答えていきます。

おさる君
おさる君

・避雷針が必要になる建物高さっていくつだっけ?

・そもそも避雷針ってどんなシステムなの?

避雷針の設置条件

建築基準法施行令では、高さが20mを超える建築物に避雷設備の接地を義務付けています。

第129条の14

法第33条の規定による避雷設備は、建物の高さ20mを超える部分を電撃から保護するようにしなければならない。

保護レベル

避雷設備が雷の影響から被保護物を保護する確率をⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳの4段階で表されます。

保護レベルⅣの保護性能を1とすれば、保護レベルⅢは2、保護レベルがⅡは4、保護レベルがⅣであれば10の保護性能があります。

その中で、一般建築物はレベルⅣ、危険物施設ではレベルⅡを最低基準として定められています。また、立地条件、建築物の種類、重要度によってさらに高いレベルを適用することになります。

外部雷保護システム

雷撃によって生ずる火災や建物の破損、人身への障害を守る目的で、避雷設備(受雷部システム)、引き下げ導線システム、接地システムを設置して、雷撃を捕捉し、雷撃電流を安全に大地へ導くシステムのことです。

受雷部システム(避雷針)

受雷部システムを構成できる金属製材料によって電撃を継続的に確実に捕捉し、雷電流を安全に大地へ導くシステムです。

また、保護レベル、保護法(回転球体法、保護角法、メッシュ法)に応じた保護範囲内に建築物が入るように受雷部システムを適切に配置しなければいけません。

おさる君
おさる君

雷を捕捉するということは、受雷システムは避雷針のことね!

次は避雷針の保護範囲についてみていくよ!

回転球体法

雷の先端を球体の中心として、放電する限界の範囲を球体で表すものです。

2つ以上の受雷部に同時に接するように、または1つ以上の受雷部と大地とに同時に接するように球体を回転させたときに、球体表面の包絡面から被保護物側を保護範囲とする方法です。

保護角法

受雷部の上端から、その上端を通る鉛直線に対して保護角を見込む稜線の内側を保護範囲とする方法です。

メッシュ法

メッシュ導体で覆われた内側を保護範囲とする方法です。

メッシュ導体は、受雷効果を主目的とするものなので、建物外壁面に敷設するメッシュの形状はカナずしも網状を構成する必要はなく、平行導体を構成すれば保護効果は同等です。

引き下げ導線システム(導線)

受雷部システムから接地システムへ雷電流を伝え、被保護物内部の電位傾度をできるだけ小さくすることが主目的です。

銅、アルミニウム、鉄の引き下げ導線によって直接接続するものや、建築物等の鉄骨や相互接続した鉄筋を利用する構造体利用引き下げ導線があります。

接地システム(アース)

危険な過電圧を生じさせることなく雷電流を大地へ放流させ、雷電流による被害発生の防止を目的としています。

一般的に、接地極は、銅板、銅覆鋼棒、溶融亜鉛メッキ鋼などを使いますが、アルミニウムは不可となっています。

また、乾燥によって接地抵抗値が増大しないように、ならべく湿気があり、ガス、酸などによる腐食の恐れのない場所を選ぶ必要があり、地下0.5m以上の深さで壁から1m以上離して埋設しなければいけません。

内部雷保護システム

建物に落雷があった場合、外部雷ほどシステムを通って大地に雷電流が流れると、大地の電位が上昇し、周囲との間に電位差が生じます。そのため、接地を共通化して電位差を発生させないようにする「等電位ボンディング」を基本とした保護システムが内部雷保護システムと呼ばれます。

電気設備の接地

接地目的による分類

前述の「外部雷保護用接地」のほか、電位上昇による火災や人体の関電などを防ぐ「保安用接地」、電位変動による電子機器の通信機能障害を防ぐ「機能用接地」、静電気を安全に放電するための「静電気障害防止用接地」などがあります。

接地工事の種別

接地工事には、対象施設、接地抵抗値、接地線の太さに応じてA種、B種、C種、D種に分けられます。

人が触れる恐れのある電気機器の安全性を確保する目的の接地工事において電圧が300V以下の低圧用の場合はD種接地工事としており、電圧が300Vを超える低圧用の場合は、C種接地工事としています。

また、B種接地工事は高圧または特別高圧の電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側の中性点に用いられ、A種接地工事は高圧用、特別高圧用に用いられます。

接地の必要な設備

キュービクルやエアコンの室外機などに必要です。

また、100Vの家電製品でも、水漏れによる感電の危険の多い洗濯機や高電圧で使用する電子レンジにも必要となってきます。

まとめ

MoTsu
MoTsu

避雷針は建物が20mを超えると必要になるんですね。

”避雷針”だけが避雷設備ではなく、接地と接地までの導線も含めて避雷設備ということが分かりました!