僕は高専の建築学科出身なのですが、その経験を織り交ぜながら建築士を目指すためのルートについてお伝えできればと思います。
高専とはなんぞや
簡単に言ってしまうと、【工業高校×工業系短大=高専】と認識いただければOKです!
大抵の高専が機械・電気・土木・建築の工業系です。
しかし、一部の高専に商船学科、経済学科などの学科も存在しています。
高専に入学することのメリット
早い段階から専門的な知識を学べる事
高専は上記に綴った通り、工業高校と工業大学を掛け合わせたものが高専と僕は思っています。足し合わせたものでは高専になりえません。
実際に高専に通ったので分かるのですが、理系であれば次々に授業が進んでいきます。
それはもう生徒を置いて行くぐらい。。。
高専2年生の前期の段階で、大学の内容に片足突っ込んでいます。
中学生の頃から予習ではなくて良いので、自分の勉強方法を築いておきましょう!
建築学科の場合
座学では5年間で工業大学4年分もの知識を学ばなければならないので徐々に建築分野の科目が増えていきます。
1週間の授業割で1年生では建築分野が3つ程度に対し、5年生になると建築分野が10以上になっています。
また、製図に関しては途中で意匠と構造で別れるのでやらない人もいます。
「私は構造系のお仕事をしたいんだ!」
っていう方が中学生の時からいるのかわかりませんが、学校別にシラバスというその学校の教育方針をまとめたものがありますので、そちらを参考にすればよいです。
就職率100%なこと
なぜ就職率が100%なのか?
それは就職担当の先生が付き、学生一人一人を全力でサポートしてくれるから。
大学はそんなことはしてくれません。
してくれるのであれば就職難民なんて言葉は生まれないから。
しかし!高専は字面通り全力サポートです。
就職難民になりそうだった僕の話
僕の時代の建築業界は早くて3月、遅くて6月に内定が決まっていました。
僕は就職担当の先生のサポートを振り切り、サポート外の就職へ挑んだのです。
当然自由応募で、見事に25社すべて落ちました。
15社落ちた段階ですでに8月。。。
周りの奴らは大企業に一発合格し3月から遊び放題。。。
もう、先生に頼るしかないと思い、相談すると。
「ずっと前からお前の合いそうな会社を見つけておいた。」
それを聞いたときは、、、マジ神!!!
なぜ就職率100%が達成できるのか
高専はOB・OGとのつながりが非常に強いのです。
高専生は在学中に後輩からの相談があれば乗るように洗脳されます(笑)
言い方が過激ですが、口酸っぱく言われるのです。
その伝手で就職を勝ち取っているのです!
高専の就職先という一覧がありますのでそちらを参考にすれば、その会社へ就職できるのは決定と言えます。
ただ、それも開拓し始めは厳しいかもしれません。
毎年就職しているような会社があれば確実です。
卒業と同時に二級・一級建築士の受験可能
高専は大学4年までの内容を濃縮して学べると前述しました。
高専の建築学科は建築士を受験するために濃縮しているようなものです。
建築士の受験には専門分野の必要単位数がありまして、高専のカリキュラムだとそれも満たしているのです。
もともと、卒業と同時に受験できるのは2級建築士でしたが、令和元年の建築士法改正により1級建築士が受験可能になりました。
なぜ建築士の受験できると良いのか。
高専生には2つの進路先があります。
- 就職
- 進学(大学・専攻科)
専攻科というのは大学でいうところの4年生までの進路で、専攻科を卒業すると大学4年で卒業したことと同じことになります。
就職でのメリット
就職してから1年目で1級建築士を合格すると超有望株です!
高専から卒業した年から4年以内に1級建築士の資格試験に合格すると、卒業した年から実務経験4年を経ることで1級建築士の免許が交付されます。
そうなると、最短で1級建築士となることができます。
ぜひ、合格したいですね!
進学でのメリット
進学するとあなたは大学3年生。(大学によっては2年生)
1年目で合格するとあなたの周りにはただの建築を学ぶ大学生だけがいます。
あなたは資格持ち。(資格持ち予備軍)
これ以上のアドバンテージはないでしょう。
就職にも有利になります。
合格して周りを突き放してしましましょう!
高専に入学することのデメリット
60点が赤点。。。
そう!テストの点で60点を下回ると赤点となります!
ただ、そこまでデメリットに感じることはありません。
だって、過去問が出回っているのだから!
過去問がもらえるように先輩・クラスメイトとコミュニケーションを密にとりましょう!(絶対頑張るところが違う。。。)
5年間同じクラスメイト
僕はそこまでデメリットに感じることは無かったのですが、友人ですごく嫌がっていたのでそんな人もいるだろうとあげてみました。
入学までに考えなければいけない事
本当にその分野が好きなのか?
「なんとなく親の勧めで入学しました~」
「就職率が100%だから入学しました~」
そういったやつらはみんな4年生に上がれず、留年か退学していました。
3年生までは何とかついていけるのですが3年から4年に上がるのがみんな苦労します。
3年生から理系授業がかなり難しくなり、専門分野の授業も多くなります。
もう一度、その分野が自分に合っているか考えてみてください。
入試
絶対高専は自分に合っている!
そんな人は入試について考えていきましょう。
入試には推薦入試と学力入試があります。
それぞれについて説明しましょう。
推薦入試
筆記試験(空間把握問題・作文)
面接
これだけです。
推薦入試に関しては作文・面接ともに場数を踏むことです。
中学校の進学担当の先生をとっ捕まえて練習あるのみです。
空間把握能力は日々の暮らしから身に着けておきましょう。
この図形をこの部分出来ると1/4にできるなとか。。。
学力入試
過去問を解きまくりましょう。
高専を目指しているのであればある程度学力はあると判断します。
過去問を解くことで傾向が分かります。
例えば数学の大問1は簡単なひっかけ問題
大問2は考え方の問題
大問3は。。。など
問題の傾向が分かるだけで焦ることなく本番を迎えるでしょう。
最後に
高専に向いているのはその分野がとことん好きな人、夢を持っている人です。
高専で健やかに学ばれることを願っています。